買い物で商品やサービスを選ぶ基準は何でしょうか? 物価が高騰していると安い物を探して節約したいというのも本音です。家計は助かりますが、ゴミが増えたり、エネルギー資源の無駄遣いになっていたり、社会や地球の自然環境に悪影響となる買い物をしてはいませんか? 児童労働や劣悪な労働環境など、人権を無視した安い賃金で作られた商品を買ってはいないでしょうか?
地域の活性化や雇用なども含む、人や社会・環境に配慮した消費行動を「エシカル消費」と言います。エシカル(ethical)とは倫理的、道徳的という意味です。「エシカル消費」は、地球温暖化、気候変動、貧困、感染症流行、紛争、人権問題などの課題を解決すべく、国連で採択された「SDGs(エスディージーズ:Sustainable Development Goal、持続可能な開発目標)」の中の『つくる責任 つかう責任』に関連する取組です。世界に紹介された日本語の「もったいない」、近江商人の「売り手よし」「買い手よし」「世間よし」の「三方よし」、被災地支援や助け合いの精神なども、エシカル消費の精神といえるでしょう。
子どもたちも学校でSDGsについて学んでいますし、若い世代のほうが社会課題に関心が高いという調査も。つまり、大人の買い物を子どもたちは見ています。購入する商品がどこで誰に作られ、運ばれてくる過程まで考えることがエシカル消費の第一歩です。買い物は商品や店・企業を評価し応援投票するのと同じ。企業側も倫理的行動を取らないと、消費者から選ばれなくなり、取引先や信用をも失います。
フェアトレードやオーガニック、水産物、森林保護など認証ラベルが付いたものを選ぶのもエシカル消費です。値段は少し高いかもしれませんが、安さだけを求めていては、長期的に自分たちのためにもなりません。
フードロス(食品廃棄)を減らすことも実はエシカル消費です。飢餓や栄養不足に苦しむ人がいる一方、日本では毎日(!)一人当たりお茶碗1杯分が廃棄されているとのこと。食品廃棄物の約半分は家庭の生ゴミ。水分が多く焼却にエネルギーが必要でCO2排出につながります。そしてCO2排出は温室効果ガスによる地球温暖化、気候変動、生態系の変化など悪影響をもたらします。
買い物リストを作る、賞味・消費期限の近いものから買う「てまえどり」、見切り品を買う、など節約につながることも。エコバッグやマイボトルを持ち歩く、プラスチックや過剰包装を避ける、「地産地消」、修理・修繕しながら大切に物を使う、などSDGsにつながるエシカルな消費行動はたくさんあります。
私たち一人ひとりの買い物は小さなことかもしれませんが、エシカル消費は社会貢献につながります。子どもたちと一緒に調べてみると良いかもしれません。
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