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第19回 夢を叶えたいお子様を応援、国の教育ローン

 中学生や、高校生のお子様がいるご家庭では、進級、進学をしたこの時期、ほっとしたのもつかの間。次の目標へのご準備を始めていらっしゃることでしょう。高校までは公立校で、と考えていたお子様の目標がだんだん定まってきて、私立高校の方が専門的知識を学べるとわかり、準備していた大学準備資金以外にも大きな資金が必要になることもあるでしょう。大学も私立の場合は学部によってかかる費用が大きく変わってきます。具体的な金額は希望大学のホームページなどでご確認いただくことをお勧めいたしますが、文部科学省が私立大学の初年度にかかる費用の平均額を公表しています。

 

私立大学学部                        (単位 円)

区分

授業料

入学料

施設設備費

合計

文科系学部

827,135

223,867

143,838

1,194,841

理科系学部

1,162,738

234,756

132,956

1,530,451

医歯系学部

2,863,713

1,077,425

880,566

4,821,704

その他学部

977,635

251,164

231,743

1,460,542

全平均

959,205

240,806

165,271

1,365,281

 

 学費等について、日本学生支援機構の奨学金で賄うことを考えているご家庭もあると思いますが、奨学金が実際に振り込まれるのは入学後の4月下旬以降ですから、入学前に納付が必要な金額が準備できていないのであれば、奨学金と併用が可能な国の教育ローンを利用することも検討してみましょう。

 

<国の教育ローンとは>

 日本学生支援機構の奨学金(貸与型)は、学生本人が借りて卒業後返還していく制度ですが、国の教育ローン(日本政策金融公庫)は、親が借り入れ、親が返済していくものです。国の教育ローンでは、入学金、授業料、施設設備費以外にも、受験にかかる費用や、パソコン購入費用、留学費用など幅広く借り入れの対象となります。融資の上限額は子ども1人当たり350万円(一定の要件下で450万円)です。1年目はとりあえず100万円を借り入れ、その後追加で上限まで融資を受けることもできます。

 融資の条件には世帯年収制限があり、扶養の子どもの数によって制限額が変わります。子ども1人の場合790万円、2人の場合890万円、3人の場合990万円と人数により金額が上がっていきます。制限緩和措置もありますから、世帯年収制限額を超えていた場合でも確認してみましょう。


<注意点>

 世帯年収が条件内であっても、返済能力に問題があれば審査が通らない場合があります。なお、審査が通らなかった場合、日本学生支援機構の奨学金の予約採用が取れているのであれば、「入学時特別増額貸与奨学金」(10~50万円)の利用が可能になります。

 審査は申し込み後10日程で結果が出ますが、受験シーズンが近くなると申し込み者が増えて、手続きに時間がかかるようですので、受験の2~3カ月前までには、申し込むようにしましょう。


<返済も自由に設定!固定金利で計画が立てやすい。>

 令和6年5月現在の金利は固定で年2.40%ですが、母子家庭、父子家庭、世帯年収などにより、0.4%の金利減額を受ける優遇もあります。100万円を借り入れた場合、10年間の返済で毎月の返済額は9,500円です。また、元金を子が卒業するまで据え置きして、卒業までは毎月の利子だけを支払う方法も選択でき、100万円の借り入れで4年間は毎月2,000円、卒業後の6年間は毎月15,000円の返済になります。


 世帯年収が要件を超えて利用できない場合、銀行の教育ローンという選択肢もありますが、変動金利で金利もやや高くなることが多いようです。奨学金や教育ローンなど、将来のライフプランや返済計画を親子でよく検討して制度を利用するようにしましょう。



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