契約は小学校5・6年生の家庭科で学習します。契約は法的拘束力を持つ約束の事で、一方的に契約を取り消すことができません。しかし消費者と事業者で行われる契約は情報の質や・量・交渉力に格差があります。そのため民事ルールを設けて消費者の利益保護を図るために2000年に消費者契約法ができました。
消費者契約法の中には不当な勧誘によって行った契約は取り消すことができるとなっていますが、消費者契約法ができた後でも消費者トラブルが減らず、消費者トラブルの中で特に違法・悪質な勧誘行為等を防止するため特定商取引法ができました。特定商取引法の優れたところは、①クーリングオフ、②意思表示の取消、③損害賠償等の額の制限など、強力な民事ルールがあることです。
「クーリングオフ」については、中学校以降で学習しますが、親子ともどもしっかり理解しておきたい制度です。元々は「頭を冷やす」という意味で、以下の特定取引をした時に一定の期間内(以下参照)であれば、申し込みの撤回や契約の解除ができる制度です。
8日間…訪問販売、電話勧誘販売、特定継続的役務提供(エステや語学教室等)、訪問購入
20日間…連鎖販売取引(マルチ商法)、業務提供誘因販売取引(提供する仕事に必要な物を買わせる)
<クーリングオフの方法>
解約する旨の書面(「契約解除通知書」)で通知します。
記載内容:契約(申込)年月日、販売会社、担当者名、商品名、契約金額、 「上記の契約を解除いたします」の文言、年月日、住所、氏名 (消費者庁HPより)
ハガキを出すときは、出す前にハガキの両面をコピーし、簡易書留や特定記録などで控えが残るようにします。また、この通知は2022年6月からは電磁的手段(電子メール等)でも可能になりました。記載内容は書面と同様です。
<クーリングオフできないものに注意>
「クーリングオフ」には対象外のものがあります。自ら店頭に出向いて購入するケース(一部適用あり)や使用してしまった化粧品や健康食品の他、通信販売もできません。2022年の20歳未満の消費生活相談の販売購入形態別ではインターネット通販が60%を超えています。また、オンラインゲーム取引もクーリングオフできませんので、注意が必要です。未成年が勝手に有料アイテムを購入した場合でも、未成年が勝手にやったという証明が難しいと「未成年者取消権」で契約を取り消すことができないようです。
契約だけでなくネットでのトラブルも増えています。下記の総務省のHPに若者の「インターネットトラブル事例集」が載っています。
ぜひ、家族で契約の事やインターネットトラブルついて話し合ってください。知っていれば防げることもあります。またトラブルにあったときには近くの消費生活センターに問い合わせましょう。
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