子どもの教育費を考える時、まとまった資金が必要になるのは、大学入学時と在学中です。「令和3年度教育費負担の実態調査」(日本政策金融公庫)によれば、大学4年間で、国公立で約481万円、私立文系で約690万円、私立理系で約822万円かかったという結果がでています。
子どもの教育方針はご家庭によって異なりますが、我が子が○○に進みたいと言った時に、お金の面で諦めさせるのは忍びないもの。できるだけのことはしてあげたいですね。教育費は必要な時期がわかっているので、ある程度は早いうちから準備を始めたいものです。教育資金の準備で代表的な方法は、①預貯金、②学資保険、③リスク商品の積立などで主な特徴は以下のとおりです。
①預貯金…元本割れはしないが、利息はほとんど期待できない。
②学資保険…満期(大学進学時等に設定)に満期金が受け取れ、親である契約者が途中で亡くなった時は、それ以降の保険料を支払うことなく満期金を受け取れる。満期金は払い込んだ保険料総額を下回るものもあるので、契約時に返戻率が100%以上かどうか確認する。
③リスク商品の積立…投資信託、外貨、金など収益性の高い商品を毎月一定額購入していく。対象商品は価格変動するので元本保証はない。
NISAが2024年から新しい制度になります。「つみたて」の非課税年間枠が120万円に拡大され、毎月10万円まで非課税で積立投資ができることになります。NISAの積立は非課税ですが、あくまでもリスク商品(比較的わかりやすいと国が認めた投資信託)の積立になるので、元本保証はありませんが、長期にわたり積立を行うことで、リスク(期待されるリターンのブレ)を軽減する効果があるといわれていますので、「新NISAつみたて」を教育資金の準備方法として一部取り入れてみてもよいでしょう。

(金融庁のHPより)
例)年3%の複利で運用できたと仮定した場合
①毎月2万円の積立 年24万円×15年=360万円(元本) ➡ 446万円(約1.24倍)
②毎月5万円の積立 年60万円×10年=600万円(元本) ➡ 688万円(約1.15倍)
新NISA では、生涯投資枠(元本)は1,800万円、解約した後はその分の枠が空くので、教育資金が終わったら老後資金の備えとして連続して利用できます。ライフステージに合わせて活用できる制度といえます。
現在、児童手当として中学卒業まで児童一人あたり、月額10,000円(3歳未満は15,000円)が支給されています。これを将来の教育費にむけ活用するのも手です。今まで運用の経験がなかった方も、運用の基本である「長期・分散投資」を実践できる「NISAつみたて」をまずは少額から始めてみてはいかがでしょう。
<教育資金での注意点>
NISAやリスク商品を利用して教育資金を準備する場合、大学進学等で実際に資金が必要になり、解約、売却しようとする時、投資環境によっては大きく損失がでることもあり得ます。ある程度利益が出た時、またできれば必要な時期よりも少し早めに必要な分だけ引き出し、預貯金に移しておくという工夫も覚えておきましょう。
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