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第9回 インフレと金融リテラシー

  • 学校金銭教育FPの会
  • 2022年12月4日
  • 読了時間: 3分

 日本は長期間不況と言われデフレが続いていましたが、この一年あまり一転してインフレに見舞われています。「デフレ(デフレーション)」とは、物価が下がり続けて、お金の価値が上がり続けることで、「インフレ(インフレーション)」とは、物価が上がり続けて、お金の価値が下がり続けることです。ウクライナ戦争が勃発して、天然ガスなどエネルギー価格や穀物価格が上がり、ヨーロッパ諸国や米国のインフレ率も7%~10%を超える国もあるほど高騰しています。一方、日本でも総務省が発表した2022年10月消費者物価指数は、1年前に比べ3.6%上昇と1982年2月以来40年8か月ぶりの物価上昇幅です。


 インフレになると預金などお金の価値が下がりますから、家計が保有する金融資産2000兆円中、1100兆円が貯蓄になっている日本では、これに対する対策が必要になるかもしれません。国も「貯蓄から投資へ」を奨励しています。インフレが話題になり、投資の必要性を感じ始めている方も多いかもしれませんが、「投資は難しいというイメージがあって、なかなか踏み出せない」そんな方も多いのではないでしょうか。


 投資をするためには「金融リテラシー」が必須と言われています。金融リテラシーとは、お金や経済に関する情報を適切に取得して理解し、そのうえで自分に必要な商品やサービスを判断できる力のことです。知識があるだけではなく、情報収集力や理解力、判断力を含めて総合的に見極められる力がある状態を指します。


 国も「金融リテラシー」教育を行っており、小学校5、6年生の家庭科では「お金の上手な使い方」なども学習しています。2022年から高校の家庭科の授業では、将来にむけた「資産形成」のための投資についても学ぶことになりました。高校の授業で扱う内容の一部を紹介すると、「利子と金利」「単利と複利」「金融商品の3つの基準(流動性・安全性・収益性)」「主な金融商品(預金・債券・株式・投資信託)とその特徴」「リターンとリスク」などですが、特に「リターンとリスク」の理解は重要です。


 「リターン」は将来期待できる収益のことで、「リスク」はその収益の不確実性の大きさ、ふれ幅の大きさのことです。預金は元本割れがなく安全性が高いですが、金利が低いため収益性は低く、リスクもリターンも小さくなります。一方、高い収益が期待できる株式や投資信託には元本保証はなく、価格変動等諸要因により、収益のブレであるリスクも大きくなります。一般にリターンの大きい商品はリスクも大きくなります。ローリスクでハイリターンの金融商品はなく、確実な儲け話などないと考えるべきです。


 投資のための金融商品は自分で選び、利益や損失は自己責任です。これからの時代を上手な投資で乗りきっていくためにも、金融リテラシーを身に付ける必要があるといえるでしょう。


 
 
 

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