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第3回 「おこづかい帳の動機付け」

 第1回コラム「小学生とおこづかい」の中で、おこづかい帳は、お金を管理するツール(道具)だとご紹介しました。おこづかい帳をつけていると、何にお金を使ったか、使い方はどうだったのかとの反省もできるし、また、今いくらお金があって、これからどう使っていけばよいのかの予定もたてやすくなります。

とはいえ、いいこととわかっていても、つけ続けることはやさしいものではありません。そこで、ファイナンシャルプランナーとして、子ども達には今から、そして大人になっても活かせるモチベーション(動機付け)を提案します。


 「おこづかい帳」や「家計簿」を記帳することで、日々のお金の出入り、動きを把握することができますが、これを一歩進めて、1年間のまとめつまり決算をしてみると、1年間でどれだけ収入があって、どんなことにお金を使ったかが明確になります。そして決算を行うと次は翌年の計画(予算)をたてることができます。

パン屋さんの例で考えてみましょう。パン屋さんの収入って何でしょう。パンの売り上げです。支出は小麦粉やバターなどの材料、お店の照明やオーブンの光熱費、働く人のお給料などですね。もし、おいしさを追求しすぎて材料費が高すぎたら、お給料を払う事ができません。収入をふやすために価格を上げたら、お客様がはなれてしまうかもしれません。そこで、適正な計画、予算を立てることが必要になるのです。


 個人商店から企業、国、海外も含め私たちの社会は、予算➡日々の記帳➡決算という一連の手続きで動いています。個人レベルであっても予算をたてて生活すると、1年間を俯瞰する力をつけることができます。


 Time is money.と言いますが、時間とお金には相関性があります。両方とも節約が目的ではなく、自分の夢を生かすために“有効に使う”ことが大切です。親元を離れて遊学する、将来結婚して家庭をもつ、転職する、起業するなどの人生の転機に、泥縄式の経済感覚では、最初の一歩に大きな不安がつきまといます。

2022年4月から高校の家庭科に「資産形成」があらたに導入され、人生において早いうちから資産形成の必要性が求められています。おこづかい帳を習慣化し、さらに、予算➡日々の管理➡決算を意識することで、将来のライフプラン、それに向けての資産形成の計画が立てやすくなります。


 おこづかい帳をつけることが、“お金と時間”という人生を左右する二大重要事項の訓練になるとすれば・・・真剣に取り組む価値がありそうです。




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